建築・アートの所感ノート

建築とアートの作品、展覧会、書籍などの感想を共有します。

コンテンポラリーダンス 森山開次「サーカス」新国立劇場

 森山の作品は、以下を見てきた。今回(2015.6.27)は4回目。
 
    2011.10.10 「LIVE BONE 2011 in 水戸」(ひびのこづえ×森山開次×川瀬浩介)
    2012.10.20   高木正勝曼荼羅の宇宙」
    2013.2.9  津村禮次郎×森山開次「石橋+Shakkyou」
 
 
 今回は水戸でみた「LIVE BONE」と同じ系列の作品だった。親と子どもが楽しめるコンテンポラリーダンス。ライオン役のダンサーが登場して、森山が演じる猛獣使いが「パシーン!」と声を出しながらムチを振るう。このようなコメディ的なパートと本格的なパートが入れ替わりながらパフォーマンスは進められた。映画やテレビドラマも同じように観客を飽きさせないように場面転換をするが、それと同じだ。途中、会場から笑いや拍手が起きて良い雰囲気だった。楽しいダンスだ。
 
 2年半ぶりにみるコンテンポラリーダンスで、「えっ!」と思うようなダンサーの柔らかい身体の動きに驚かされた。逆立ちしながら様々な動きをするシーンでは、驚くほど長い時間、逆立ちしているので緊張感がどんどん高まる。全体を通して、しなやかでゆったりとした動きが多く、ダンサーの筋肉にかかる負荷が相当なものだろうと想像した。人間はここまで身体の動きを制御できるのか!!と、あらためて、ダンサーのパフォーマンスに驚かされた。
 
 
 ひびのこづえによる女性ダンサーの衣装も面白かった。ワンピーススカートの裾にフラフープみたいな輪がついて、ジャンプすると弾力性のある生地が輪っかを上下に揺らす。スカートがめくれ上がる動きが好きなのは、男の性であろうか(笑) 
 
  振付、音楽、衣装、舞台美術など全てをこの公演のためだけに制作される。各ジャンルのプロフェッショナルたちが、大きなエネルギーを投じてつくられた作品に楽しませてもらった。有名なポップミュージシャンのライブに行けば、8,000円はかかるのに対して、今回のダンスは6000円弱と安い。もっとコンテンポラリーダンスに人気があっても良いと思う。ダンスは言葉が要らない。その良さを生かして、外国人にも観て欲しい。
 
 
 子どものための企画でもあったので、隣の席に小学1年生ぐらいの男の子が見ていた。小さいころから、こういうダンスの世界があることを知ることができて羨ましい。わたしは、2007年に初めてコンテンポラリーダンスに出会った。友だちと一緒に原美術館で見た 2007.8.4『flowers ダンスパフォーマンス 「PARADISE」』だ。多くの子どもは、ダンス=アイドルというイメージを持っているのではないか。そういう背景がある上で、アイドルのダンスとは全くレベルの違うダンスのプロによるコンテンポラリーダンスを、実際に見ることは大きな意味がある。
 
 2015.6.28 TV「情熱大陸」でダンサー 菅原小春が特集されていた。彼女はポップスと共に踊ることが多いようだった。彼女のダンスと森山のダンスの違いは、音楽でいうとポップスとクラシックのようなものだろうか。クラシック音楽は幼少時から学ぶのが当たり前で、コンテンポラリーダンスはバレエを学んだ人がする場合が多い。バレエも幼少時から教室に通う人が多い。一方、ポップスは中学生からバンドを始めるみたいな話しをよく聞く。要するに、ダンスの中でのハイカルチャーサブカルチャーだろうか。ダンスも幅が広い。

 

 

http://kaijimoriyama.com/

PLAYLIST

https://www.youtube.com/watch?v=Ckapn3YQeGI&list=PL9A450EDFD965FCD3