建築・アートの所感ノート

建築とアートの作品、展覧会、書籍などの感想を共有します。

「秋田県立美術館」と「秋田の行事」

<<< 「秋田県立美術館」安藤忠雄 2012 >>>
 市立図書館の方から歩いて向かう。お堀から見える姿は、とても静かで渋かった。正面入口前は広場になっている。入口もミニマルだった。雪対策のためか、庇がついていた。

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 内部に入ると外観とは一転して、エレガントな階段がホールで存在を主張している。ホールを見上げると正三角形の光天井。これから展覧会を見る気分が盛り上がる。

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 階段を上ると、カフェがあり、そのためのテーブルとソファが設置してある。そこからお堀方向の景観が素晴らしい。軒が低く抑えられて、その下は水盤が広がる。青空をキレイに反射していた。美術館前の幹線道をを視線から外す意図が読める。その結果、景観の大部分を緑と空が占める。谷口吉生も薄い水盤をよく使うが、これはカッコイイ。

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<<< 「秋田の行事」藤田嗣治 1937 >>>
 展示室はコンパクトで、藤田嗣治「秋田の行事」1937 を見るための大空間と、小さな企画展をする空間だけで構成されている。「秋田の行事」はTV「美の巨人たち」「日曜美術館」で特集されていたのを既に見ていた。想像以上の大きさだった(縦3.6m、横20.5m)春夏秋冬が描かれている。メキシコの壁画に感動して、本作品が制作されたそうだ。メキシコの壁画と言えば、岡本太郎の「明日の神話」1969(縦5.5m、横30m)だ。二人が影響を受けたのは、メキシコのディエゴ・リベラ。メキシコに行きたい理由が増えてきた。

 春夏秋冬を描いているが、地面は全て雪に覆われている。秋田が雪国である証しだ。足跡が丁寧に書き込まれていてた。わらじ、下駄、犬など判別できた。描いている対象(春夏秋)は熱気に包まれているが、何となく色調に冷たさがある。藤田の特長だろう。対象に入り込むというより、客観的に見た感じ。冬の部分が藤田の色調に一番合っている。

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